線形混合モデルによる野菜のカドミウム吸収における品目間差異の推定

  • 戸上 和樹
    (独)農業・食品産業技術総合研究機構東北農業研究センター
  • 吉住 佳与
    (独)農業・食品産業技術総合研究機構東北農業研究センター
  • 工藤 一晃
    (独)農業・食品産業技術総合研究機構東北農業研究センター
  • 青木 和彦
    (独)農業・食品産業技術総合研究機構東北農業研究センター
  • 三浦 憲蔵
    (独)農業・食品産業技術総合研究機構東北農業研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Estimation of differences in cadmium uptake among vegetable species with linear mixed-effects models
  • センケイ コンゴウ モデル ニ ヨル ヤサイ ノ カドミウム キュウシュウ ニ オケル ヒンモク カン サイ ノ スイテイ

この論文をさがす

抄録

エダマメ,チンゲンサイ,レタス,ニンジン,キャベツ,ハクサイ,ブロッコリーにおける可食部Cd濃度の品目間差異とCd吸収特性を調べるため,Cd濃度が異なる9〜11点の土壌を用い,目標pHを2〜3段階にしてポット栽培試験を行った.可食部Cd濃度は,土壌pHに影響されるため,0.1molL^<-1>塩酸浸出Cd濃度と栽培後の土壌pHを説明変数,可食部Cd濃度の対数を目的,変数各供試土壌をランダム要因に組み入れ,線形混合モデルで解析した.1)日本の畑土壌の平均的条件(土壌pH6.1,土壌Cd濃度0.21mg kg^<-1>)における可食部Cd濃度は,高い方からニンジン,チンゲンサイ,エダマメ,レタス,ハクサイ,ブロッコリー,キャベツとなった.2)全品目の可食部Cd濃度に対する土壌中Cd濃度,土壌pHの影響は,それぞれ正,負の影響が認められた.土壌中Cd濃度が2.0から0.5mg kg^<-1>の低下により,キャベツ,ニンジン,レタスの可食部Cd濃度は約7割,ブロッコリーは約6割,エダマメ,チンゲンサイ,ハクサイは約5割の低減が予測された.また,土壌pH5.5から6.5の上昇により,キャベツの可食部Cd濃度は約8割,エダマメ,ブロッコリーは約6割,ハクサイ,レタスは約5割,チンゲンサイは約4割,ニンジンは約3割の低減が予測された.3)ランダム切片の解析により,黒ボク土壌においてチンゲンサイ,レタス,ニンジン,ハクサイ,ブロッコリーの可食部Cd濃度に対する土壌中Cd濃度と土壌pH以外の要因の影響が大きいと推察された.

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (25)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ