脳動脈瘤発生・増大のメカニズムとその抑制の可能性 : 実験的脳動脈瘤モデルを用いた知見から(<特集>脳動脈瘤に対する新たな考え方)

• 片岡 大治

  国立循環器病研究センター脳神経外科

書誌事項

タイトル別名

• Molecular Mechanisms for the Development of Intracranial Aneurysms and Its Possible Inhibition : From Findings Obtained by an Experimentally Induced Intracranial Aneurysm Model(<SPECIAL ISSUE>New Concept in Treatment for Cerebral Aneurysm)

抄録

近年,実験的脳動脈瘤モデルを用いた研究により脳動脈瘤の発生や増大が血管壁の炎症反応と密接に関係していることが明らかになってきた.脳動脈瘤発生の初期には,炎症関連転写因子であるNF-KBが内皮細胞で活性化され,MCP-1などの発現が亢進する.それにより,動脈瘤壁ヘマクロファージが集積し,MMPなどを分泌して,動脈瘤壁の退行性変化を促進するものと考えられる.高コレステロール血症治療薬であるスタチンは,上記の炎症関連因子の発現を低下させ,ラット脳動脈瘤に対する増大抑制効果をもつことが証明された.スタチンはヒト脳動脈瘤に対しても抑制効果をもつことが期待されるが,それを検証するための多施設臨床試験(SUAVe-PEGASUS研究)が現在行われている.

収録刊行物

• Japanese Journal of Neurosurgery

  Japanese Journal of Neurosurgery 21 (4), 321-326, 2012

  日本脳神経外科コングレス

キーワード

• intracranial aneurysm
• animal model
• inflammation
• statin

詳細情報

• CRID: 1390001204408967040
• NII論文ID: 110009426247
• NII書誌ID: AN10380506
• DOI: 10.7887/jcns.21.321
• ISSN: 21873100
• ISSN: 0917950X
• Web Site: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcns/21/4/21_KJ00007979580/_pdf
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2012194896
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • Crossref
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可