土壌類型等土壌条件と標高差が水稲冷害に及ぼす影響

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タイトル別名
  • Effect of Soil Conditions and Altitude Difference on the Cool Summer Damage of Paddy Rice
  • ドジョウ ルイケイ トウ ドジョウ ジョウケン ト ヒョウコウサ ガ スイトウ レイガイ ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

水稲を対象として,野外調査で観察できる土壌の基本的性質や作土深及び局地的な気象に影響すると考えられる標高差(比高)と冷害との関係を系統的,統計的に解析し,次のような結果を得た。1)水稲冷害に影響する土壌条件・標高差に関係する要因として,土壌類型,作土深,作土の活性アルミニウム反応,比高の4つが抽出された。2)土壌類型では,透水性が大きく養分保持力の小さい中粗粒・礫質土壌と透水性が極不良で還元性の強い土壌が冷害を最も受けやすく,透水性がやや不良で極端に還元が強くなく養分保持力の大きい土壌で冷害を最も受けにくい。3)作土は,深いほど冷害を受けにくい。特に15cm以上で冷害を受けにくく,10cm以下ではひどく受けやすくなる。4)作土の活性アルミニウム反応は,強いほど冷害を受けやすい。5)比高は,33m以上になると冷害の受け易さに差が生じる。これらのうち比高以外の土壌に関する要因は,土地改良や土壌管理により冷害に強いものに改善できることを示している。

収録刊行物

  • ペドロジスト

    ペドロジスト 44 (1), 2-8, 2000-06-30

    日本ペドロジー学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (5)*注記

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