多重音基本周波数解析のための無限複合自己回帰モデル
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抄録
本稿では,音楽音響信号に含まれる複数の基本周波数 (F0) を推定するための確率的生成モデルについて述べる.従来,ソース・フィルタ理論に基づく非負値行列因子分解 (NMF) では,非負値の観測スペクトログラムを行列とみなし,二種類のスペクトル (ソースのスペクトルおよびフィルタの周波数応答) と,それらの各組み合わせに対する時間方向のアクティベーション (音量変化) との積に分解することが行われていた.このとき,楽器の発音機構は自己回帰 (AR) 系でモデル化できると仮定すれば,F0 をもつ周期信号 (くし型スペクトル) や白色雑音 (平坦スペクトル) などの音源により,楽器の反響特性 (音色) を表現する全極型フィルタが駆動されることで音響信号が生成される過程を考えることができる.しかし,この種の複合自己回帰モデルにおいては,本来未知であるはずのソースやフィルタの個数を事前に指定しておく必要があるという問題があった.この問題を解決するため,ガンマ過程を用いることで,上限のない個数のソースやフィルタを理論上許容可能なノンパラメトリックベイズモデルである無限複合自己回帰モデルを提案する.本モデルの学習のため,変分ベイズ法 (VB) と乗法更新則 (MU) を組み合わせた効率的な反復最適化アルゴリズムを導出し,スパースな学習ができることを実験により確認した.
収録刊行物
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- 研究報告音楽情報科学(MUS)
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研究報告音楽情報科学(MUS) 2012 (8), 1-8, 2012-08-02
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詳細情報
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- CRID
- 1573387452726370048
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- NII論文ID
- 110009432475
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- NII書誌ID
- AN10438388
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- CiNii Articles