小児重症筋無力症に対する,胸骨吊り上げ式縦隔鏡下拡大胸腺摘出術

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タイトル別名
  • Extended Thymectomy Through an Infrasternal Approach for Pediatric Myasthenia Gravis
  • ショウニ ジュウショウキン ムリョクショウ ニ タイスル,キョウコツ ツリアゲ シキ ジュウカクキョウ カ カクダイ キョウセン テキシュツジュツ

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抄録

【目的】内科的治療に抵抗する小児重症筋無力症に対する,縦隔鏡下拡大胸腺摘出術の手術成績を検討する.【方法】対象は同術式を施行した小児8例(4歳〜15歳).病型は眼筋型5例,全身型3例.全例胸腺腫なし.術式は剣状突起下の小切開創から器具(Laparofan^[○!R]あるいはV字鉤)を挿入して胸骨を挙上し,硬性鏡により前縦隔の術野を得て胸腺および周囲脂肪組織を摘出した.手術データ,術後経過を後方視的に検討した.【結果】全例で鏡視下手術を完遂した.年長児例では分離肺換気を使用したが,幼児例では必要としなかった.手術時間は149〜257分(中央値190分),出血量は3〜160ml(中央値8.0ml)であった.合併症は2例で一過性片側反回神経不全麻痺による嗄声を認めた.術後3か月以上経過した6症例での手術効果は3例で寛解,3例で改善を認め,有効率100%であった.【結論】縦隔鏡下拡大胸腺摘出術は幼児を含む小児に対して問題なく施行できた.胸骨正中切開に近い視野で左右広い範囲の郭清ができ,優れた術式と考えられる.

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