腹壁閉鎖が困難な巨大臍帯ヘルニアに対するcomponents separation technique(CST)法

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タイトル別名
  • Use of Components Separation Technique for Staged Abdominal Closure in a One-Year-Old Patient With Ruptured Giant Omphalocele
  • 症例報告 腹壁閉鎖が困難な巨大臍帯ヘルニアに対するcomponents separation technique(CST)法
  • ショウレイ ホウコク フクヘキ ヘイサ ガ コンナン ナ キョダイ セイタイ ヘルニア ニ タイスル components separation technique(CST)ホウ

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抄録

症例は破裂型臍帯ヘルニア術後の1歳8か月女児.出生時径40mm大の腹壁欠損部より肝左葉・胃・小腸・大腸(下行結腸まで)の脱出を認めサイロを造設した.縫縮を試みたが脱出腸管が巨大で還納は滞り,サイロの皮膚縫着部の感染をきたした.生後15日2期手術を行ったが,欠損部は径50mm大に広がり腹壁閉鎖が困難であったため,臍帯を欠損部にpackingし自然閉鎖を待つこととした.その後臍帯の感染や壊死性腸炎をきたしたが集中治療で改善し,約5か月で臍部は上皮化した.体重が9.5kgとなった1歳8か月時腹壁閉鎖目的で入院.CT上欠損孔の大きさは72×59mmで,脱出腸管容量は60cm^3(全腹腔容積の6.3%)であった.外腹斜筋腱膜を半月線外側で切開,外腹斜筋と内腹斜筋の間を十分剥離し,左右腹直筋鞘を正中方向にスライドするcomponents separation technique(CST)法を施行した.緊張なく腹壁を閉鎖することができ,その後はabdominal compartment syndromeをきたすことなく,術後13日で退院した.CST法は,巨大な欠損孔を有する腹壁異常など,腹壁閉鎖の困難な小児に対する有効な治療法となり得る.

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