LEDマークを用いたロービジョン者の夜間歩行誘導方法に関する研究

書誌事項

タイトル別名
  • Study on system using LED marks that lead the people with low vision to walk safely at night
  • LED マーク オ モチイタ ロー ビジョンシャ ノ ヤカン ホコウ ユウドウ ホウホウ ニ カンスル ケンキュウ

この論文をさがす

抄録

ロービジョン者の多くは残された視覚を使い歩行しており、夜間の道路は歩きづらい環境になっている。本研究の目的は、夜間の低い照度下でもロービジョン者が歩きやすくなる方法として、LED誘導マークを用いた誘導方法を提案することである。提案する誘導方法は、道路面からの発光ではなく、電柱等に取り付けたLEDから光を照射し、道路面に明るいマークを作り出すものである。まず、アンケート調査を行い、ロービジョン者の夜間歩行の実態を把握した。ロービジョン者の多くは、昼間は残存視力を使って歩行しているが、夜間になると残存視力を有効に用いることができず、同行者を必要とするなど外出方法が変化し、外出頻度も少ないことがわかった。次に、提案した誘導方法がロービジョン者の夜間歩行の誘導に有効である周辺照度はどれくらいなのか、誘導マークの設置間隔と明るさの目安はどのくらいなのかを把握するために、ロービジョン者の参加による歩行実験を2種類実施した。実験1では、周辺照度がどの程度であれば有効であるかを確認するため、周辺照度を3通り変えて歩行実験を行った。その結果、提案した誘導方法は、周辺照度が6lx以下の場合、ロービジョン者の約8割から「有効である」との回答が得られた。実験2では、周辺照度6lxの場合にロービジョン者の夜間歩行の誘導に効果を発揮するLED誘導マークの設置間隔と明るさの目安を把握した。その結果、誘導マークが"5.0m間隔、照度90lx(輝度対比1.9〜9.0)"、"7.5m間隔、照度180lx(輝度対比4.9〜19.5)"の場合にロービジョン者の約8割から「わかりやすい」との回答が得られた。

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ