ミャンマーイネ地方品種におけるエステラーゼアイソザイムの多型

書誌事項

タイトル別名
  • Polymorphic Diversity of Esterase Isozyme of Myanmar Rice Landraces
  • ミャンマーイネ チホウ ヒンシュ ニ オケル エステラーゼアイソザイム ノ タケイ

この論文をさがす

抄録

ミャンマーのイネ地方品種491点を用いて3つのエステラーゼアイソザイム(Est1,Est2,Est3)のザイモグラムを調査し,地域間における遺伝子型頻度,遺伝子座の平均遺伝子多様度および多様性指数を解析した。ミャンマーの地方品種には,Est1,Est2,Est3座の対立遺伝子で決定される12種類の遺伝子型のうち,10型を除くすべての遺伝子型が存在した。とくに1型,3型および5型の3種類の遺伝子型の頻度が高かった。地域別でみると,どの地域でも多様な変異がみられたが,とくに北部のSagaing管区と西部丘陵地域のChin州と東部丘陵地域のShan州の品種には,ほとんどの遺伝子型が存在した。インドのアッサム州と隣接する西部丘陵地域のChin州では,1型の頻度が最も高く,3型および5型の遺伝子型も多い傾向が認められた。一方,イネの地方品種のエステラーゼアイソザイムの多様性に地域間差異があまり見られなかった。このことは,アイソザイムの酵素機能に差異がなく,環境適応に伴う自然選択や栽培者による人為選抜の影響を受けにくいことによると考えられる。さらに,エステラーゼアイソザイムに限れば,ミャンマー全土が多様性地域に包括され,目立った地域的分化が生じていない為と考えられた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ