スピネル形成真空実験から探るプレソーラースピネルの起源

• 原田 真理子

  東京大学大学院理学系研究科

• 瀧川 晶

  京都大学大学院理学研究科

• 橘 省吾

  北海道大学大学院理学研究院

• 永原 裕子

  東京大学大学院理学系研究科

• 小澤 一仁

  東京大学大学院理学系研究科

書誌事項

タイトル別名

• Spinel formation experiment under vacuum condition: implication for the origin of presolar spinel
• スピネル ケイセイ シンクウ ジッケン カラ サグル プレソーラースピネル ノ キゲン

抄録

始源的コンドライト中からプレソーラースピネル(MgAl_2O_4)とプレソーラーコランダム(Al_2O_3)の両者が発見されている事実は,晩期型巨星周囲のガス中において,コランダムと,ガス中のマグネシウムおよび酸素との反応によるスピネル形成が完了しなかった可能性を示唆する.本研究では, 1420-1650℃においてコランダムとガス中のマグネシウム・酸素との反応によるスピネル形成実験を行い,その反応速度を求めた.実験の結果,過飽和比約10において,スピネル形成表面反応の効率を表す反応係数が約0.002であることがわかった.この結果を星周環境におけるスピネル形成に適用し,晩期型巨星近傍において凝縮したコランダムは,恒星近傍でのガス放出速度が極めて遅い場合(〜0.001km/s)を除き,必ずしもスピネルに変化しないことを示した.コランダム粒子半径(>1μm)が大きい場合にも必ずしもスピネルに変化しない.これは,コンドライト中のプレソーラースピネル,プレソーラーコランダム両者の存在と調和的である.

収録刊行物

• 日本惑星科学会誌遊星人

  日本惑星科学会誌遊星人 21 (2), 160-167, 2012

  日本惑星科学会

詳細情報

• CRID: 1390282680765694592
• NII論文ID: 10031083548
• NII論文ID: 110009477306
• NII書誌ID: AN10446455
• DOI: 10.14909/yuseijin.21.2_160
• ISSN: 2423897X
• ISSN: 0918273X
• NDL書誌ID: 023862365
• Web Site: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I023862365
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • NDL
  • CiNii Articles
  • KAKEN
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可