低出力超音波パルス療法が間接軟骨代謝に与える即時的影響

  • 伊藤 明良
    京都大学大学院医学研究科人間健康科学系運動機能解析学
  • 青山 朋樹
    京都大学大学院医学研究科人間健康科学系運動機能開発学
  • 山口 将希
    京都大学大学院医学研究科人間健康科学系運動機能解析学
  • 秋山 治彦
    京都大学大学院医学研究科整形外科
  • 黒木 裕士
    京都大学大学院医学研究科人間健康科学系運動機能解析学

書誌事項

タイトル別名
  • Immediate Effect of Low-intensity Pulsed Ultrasound on Cartilage Metabolism: A Study Used Different Intensities
  • ―異なる刺激強度を用いた研究―

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抄録

【目的】低出力超音波パルス療法(low-intensity pulsed ultrasound : 以下,LIPUS)の強度の違いが関節軟骨代謝に与える即時的な影響を遺伝子発現解析によってあきらかにすることを目的とした。【方法】ラット膝関節から軟骨細胞を採取し,変形性関節症(以下,OA)の擬似病態を惹起させるため0,100,1000 pg/ml濃度のインターロイキン-1β(以下,IL-1β)を添加し,LIPUSを0,7.5,30,120 mW/cm2強度で20分間刺激後,遺伝子発現解析を行った。【結果】100 pg/ml濃度のIL-1βで惹起された軟骨破壊因子であるマトリックスメタロプロテアーゼ(matrix metalloproteinase : 以下,MMP)-13のmRNA発現はLIPUS刺激強度依存性に抑制された。主要関節軟骨基質成分であるII型コラーゲン(type 2 collagen : 以下,Col2)やアグリカン(aggrecan : 以下,ACAN)のmRNA発現は,LIPUS刺激により抑制される傾向を示した。【結論】LIPUSは軟骨破壊因子であるMMP13 mRNA発現を強度依存性に抑制することによる,関節軟骨保護作用を有する可能性が示唆された。

収録刊行物

  • 理学療法学

    理学療法学 39 (5), 307-313, 2012-08-20

    日本理学療法士学会

参考文献 (31)*注記

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