流量制限による相互結合網の実効性能改善の検討

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抄録

大規模な相互結合網において転送性能を向上させるためには,輻輳の発生や成長を効果的に抑制する必要がある.この目的に則して,本稿では,ルーティングアルゴリズムと直交する手法を流量制御の観点から検討する.効果的な流量制御のためには,隣接ルータ間の局所的な情報だけでは不足であり広域・準広域的に輻輳に関連した情報を収集する必要がある.さらに膨大な数のルータが使われることに鑑み,集中制御ではなく個々のルータの自律的な動作の集積としての分散制御により実現することを検討する.そこで本稿では,まず我々の先行研究の成果である仮想制御チャネルをもとにして,分散制御による広域・準広域情報の収集機構を導入する.その上で,実際の流量制御手法として,広域情報を扱うエントロピースロットリングを導入するとともに,準広域情報を有効に使用するゲーティング手法を提案する.ゲーティング手法は準広域情報とその評価関数をもとにして本線に合流する経路のパケット流を制御することで本線経路の輻輳を抑制するものである.各々の手法には様々なパラメータが考えられるため,本稿ではすべてのパラメータの組み合わせについて評価を行う.一斉同期通信,定常通信の通信スタイルそれぞれについて,転置をはじめとする様々な通信パターンを設定した包括的な評価を行う.その結果,特にゲーティングにおいて多くの場合に性能向上が得られることを示す.

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1570854177871494016
  • NII論文ID
    110009490617
  • NII書誌ID
    AN10096105
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • CiNii Articles
    • KAKEN

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