ジッタの影響を緩和する集団通信アルゴリズム

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抄録

ジッタの影響により,大規模計算機における並列計算のスケーラビリティが制限されるという問題がある.ジッタはOSのページフォールトや割り込み処理,パケットの輻輳により生じる遅延のことである.プロセッサ数が増えると,ジッタの影響は大きくなる.ジッタの影響を強く受けるallreduceについて,ジッタの影響を緩和するallreduceのアルゴリズムを提案する.この手法は,バタフライと呼ばれるallreduceアルゴリズムの通信の独立性を生かした方法である.従来のデータ交換の後に,さらにデータ交換を複数回行い,早く届いたデータを採用することでジッタの影響を小さくする.シミュレータを作成してこの提案手法を評価した.プロセッサ数,ジッタの周期やその長さなどを変えながら評価した.ジッタの長さが1対1通信の時間よりも長く,かつプロセッサ数が27以上の場合に,従来手法はジッタの影響を特に大きく受けるが,提案手法ではそれを改善することができる.本論文中でシミュレーションした条件下では最大で従来手法のおよそ10倍の性能向上を得た.しかし,プロセッサ数が215以上になると提案手法でもジッタの影響を大きく受けることが判明した.

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1573387452661901440
  • NII論文ID
    110009490667
  • NII書誌ID
    AN10463942
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • CiNii Articles

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