災害時のチャプレンの働き : その可能性と課題(<特集>災禍と宗教)

書誌事項

タイトル別名
  • Disaster Chaplain and Its Task after the Great East Japan Earthquake and Tsunami(<Special Issue>Religion and Calamities)
  • 災害時のチャプレンの働き : その可能性と課題
  • サイガイジ ノ チャプレン ノ ハタラキ : ソノ カノウセイ ト カダイ

この論文をさがす

抄録

災害時においては、地元の宗教者がチャプレンとして、スピリチュアルケアや宗教的ケアを通して被災者(=悲嘆者)に対応することが、欧米では当然のこととして理解されている。東日本大震災に際し、宗教者はさまざまな支援活動実施してきたし、今後も必要とされている。弔いとグリーフケア、被災者の不安を和らげる祈りや傾聴活動など、様々な支援活動の中から、布教伝道を目的とせずに、宗教、宗派の立場をこえて、宗教的ケアを実践した事例を参考にして、災害時のチャプレンの可能性と課題を考察する。これからも起きるかもしれない災害に備えて、日本各地で災害チャプレンを育成しておく必要性がある。そのための課題は、ルールを共有した超宗教の組織づくり、医療者や自治体との連携のための信頼関係の構築、宗教的ケアの質や効果の検証、そして地域性を考慮した体制づくりである。

収録刊行物

  • 宗教研究

    宗教研究 86 (2), 347-367, 2012

    日本宗教学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ