広島原爆被爆者における直接被爆線量では説明できないリスクの地理分布について

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抄録

放射線被曝はがん等の罹患・死亡リスクを高める要因であり,そのリスク評価は重要な問題である.放射線被曝の健康被害への影響は,放射線被曝量に基づき評価(例えば,放医研 2012)されているが,原爆被爆者が被曝した放射線被曝量の計測は実測ではなく物理学的な線量評価方式に基づく推定値である(Hoshi et al. 1996; Young and Kerr 2005).物理学的な線量評価方式は,「放射線の影響が爆心からの距離とともに同心円状に減少する」という放射線の性質に基づき,爆心からの距離と遮蔽状況などから,原子爆弾炸裂時に放出されたガンマ線・中性子線の外部被曝を評価したものである.したがって,黒い雨(宇田ら 1953; 増田 1989; Ohtaki 2011),残留放射線(Imanaka et al. <Wa>2008)および内部被曝などの付加的な被曝は物理学的な線量評価方式では評価されていない.本報告では,従来用いられてきた線量に基づくリスク評価に代わる方法として,冨田・佐藤・大谷ら(2012)およびTonda, Satoh, Otani et al. (2012)が提案した被爆時所在地に基づくリスク評価法に基づき,直接被爆線量で説明できないリスクの定量的評価を試みる.

収録刊行物

  • 長崎醫學會雜誌 : Nagasaki Igakkai zasshi

    長崎醫學會雜誌 : Nagasaki Igakkai zasshi 87(特集), 176-180, 2012-09-25

    長崎大学

各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    110009517168
  • NII書誌ID(NCID)
    AN00275753
  • 本文言語コード
    6
  • 雑誌種別
    大学紀要
  • ISSN
    03693228
  • NDL 記事登録ID
    024179866
  • NDL 請求記号
    Z19-185
  • データ提供元
    NDL  NII-ELS 
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