アミロイド沈着を伴った播種性肺MALTリンパ腫の1剖検例

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タイトル別名
  • An Autopsy Case of Pulmonary Mucosa-associated Lymphoid Tissue Lymphoma

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抄録

背景.アミロイド沈着はMALTリンパ腫における予後不良因子であるとの報告が散見される.異時性に診断された本例の肺と胃のMALTリンパ腫はともにALアミロイドの沈着を伴っていた.アミロイド沈着とMALTリンパ腫について,文献的考察を加え報告する.症例. 70歳男性.右肺門部腫瘤影を指摘され紹介. 58歳時,胃MALTリンパ腫に対し胃全摘術施行.気管支鏡にて,右主気管支粘膜の不整隆起と発赤を認め,同部位より経気管支肺生検を施行.気管支粘膜に濾胞形成したCD20(+)の小型Bリンパ球の浸潤を認め,肺MALTリンパ腫と診断.病変周囲にアミロイド沈着を認めた.徐々に病変は増大し,肺炎を繰り返し4年後に永眠され,病理解剖となった.結果.右下葉に空洞を伴う腫瘤と肺の硬化を認め,肺の腫瘍周囲と他臓器への播種性病変周囲にALアミロイドの沈着を認めた.切除胃の病変にもALアミロイド沈着が確認された.結論.アミロイド沈着を伴うMALTリンパ腫では,播種病変の検索や慎重な経過観察を要すると思われた.

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 34 (5), 479-485, 2012

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

参考文献 (11)*注記

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