広域分散ファイルシステムBlobSeer-wan/HGMDSの設計と評価

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抄録

広域分散ファイルシステムでは,クライアントの場所にかかわらずファイルシステムにアクセスすることができる.しかしながら,既存の広域分散ファイルシステムは特定のメタデータサーバへのアクセスが必要であり,クライアントとメタデータサーバ間の遅延の大きさが性能を左右している.本稿では,拠点ごとにメタデータサーバ等を設置し,クライアントが行うすべてのオペレーションを拠点内で完結させる広域分散ファイルシステム BlobSeer-wan/HGMDS の設計・実装を行い,評価を行った.ひとつの拠点内における評価では,ほぼすべてのオペレーションについてクライアントが 8 ノードの場合の際に BlobSeer-wan/HGMDS が Gfarm に比べ高い性能を示した.特にファイルを作成しデータを書き込み同期を行う評価ではクライアントが 8 ノードの場合に Gfarm の性能の 10.9 倍の性能を示した.また,拠点間の遅延が大きい二つの拠点における評価においても,各拠点における性能差が小さいこと,及びクライアントのノード数に比例して BlobSeer-wan/HGMDS の性能が高くなることを示した.拠点ごとのクライアント数が 4 ノードの際における BlobSeer-wan/HGMDS の各拠点の結果の和の値は Gfarm のその値に比べ,Directory Creation で 2.5 倍,Fire Creation で 1.1 倍,Directory stat で 1.5 倍,File stat で 2.5 倍,File removal で 3.7 倍の値を示した.

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1572543027794715008
  • NII論文ID
    110009536447
  • NII書誌ID
    AN10463942
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • CiNii Articles

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