大学生のKFD で見る自己像、家族力動とジェンダーロール

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タイトル別名
  • Self images, family psychodynamics and gender roles in kinetic family drawings by college students

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抄録

人は社会で求められるジェンダーロールを意識的、無意識的に家庭、社会生活で身につける。そのため青年男女が家庭で自己イメージ、家族力動、ジェンダーロールを意識的、無意識的にどのように捉えているかを見ることは興味深い。本研究では129名の男女大学生を対象に動的家族描画 (KFD) を用いて、描画順位、人物の大きさ、人物の行為、自己像に最も近い人物、人物の向きの5項目について分析した。その結果、女性は描画順位、大きさから家庭内で自己を低く位置付ける傾向があり、男性は家庭内で自己を高く地位つける群と低い群とに分かれた。人物の行為では、青年期では大きな差はないが、父親像、母親像には伝統的性役割差が顕著であった。自己像に最も近い人物として男女共に母親を描いた。正面向きの自己像の男女差が有意であった。家庭内で女性の方が心理的親密さ情緒的表現により関与する可能性を示した。これらのKFD結果を総合的に見て、家庭内では伝統的保守的な自己像、ジェンダーロールが維持されている事が示唆された。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1570854177934466304
  • NII論文ID
    110009536628
  • NII書誌ID
    AA12209029
  • ISSN
    18813097
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • CiNii Articles

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