ライブカメラ画像および風予報に基づく桜島の降灰予測システムの開発

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鹿児島県にある活火山である桜島の噴火活動は 2009 年以来活発化しており,降灰が市民生活に与える影響は大きい.本稿では,降灰の予想される地域に対して早期に警告を発するための,降灰予測システムを提案する.本手法の特徴は,桜島の噴火口を捉えたライブカメラ映像から噴火の規模を推定し,その推定値および風向,風速等の気象データに基づき降灰範囲を大まかに予測することで,噴火から 5 分以内で降灰に関する情報を提示する点にある.降灰状況の予測には,灰と気流との相互作用を扱いやすく,かつ可視化に適した,粒子に基づく流体シミュレーション手法の 1 つである SPH 法を用いる.降灰予測の精度を高めるためには,シミュレーションに用いる噴火規模および降灰量に関連する物理パラメータをどのように定めるかが重要である.そこで,過去の噴火および降灰に関する観測データから統計的にこれらの値を推定する手法を新たに提案する.また,降灰の予測結果をわかりやすくに提示するために, SPH 法により得られた噴煙粒子の配置情報から噴煙の形状を可視化を行う.一連の手法により,噴火から 5 分以内に降灰状況を予測し,噴煙の形状を可視化することで,桜島の近隣住民に対して早期に降灰予測をわかりやすく提示するためのシステムを実装する.

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Details 詳細情報について

  • CRID
    1570572702957831424
  • NII Article ID
    110009537034
  • NII Book ID
    AN10100541
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • CiNii Articles

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