小児急性白血病治療中に発症した急性虫垂炎4例の外科治療経験と本邦文献報告例の検討

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タイトル別名
  • Experience of Surgical Management in 4 Pediatric Patients With Appendicitis Occurred During Treatment of Acute Leukemia and a Review of Japanese Literature Reported for These Patients
  • ショウニ キュウセイ ハッケツビョウ チリョウ チュウ ニ ハッショウ シタ キュウセイ チュウスイエン 4レイ ノ ゲカ チリョウ ケイケン ト ホンポウ ブンケン ホウコクレイ ノ ケントウ

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抄録

【目的および方法】我々は急性白血病治療中に急性虫垂炎を併発して外科治療を行った4例を経験したので本邦文献報告例の集計結果を加え報告する.【結果】自験例の手術時年齢は8, 10, 14, 15歳.4例中2例は初期診断が遅れ,保存的治療後に待機手術を行った.保存的治療を行った2例と緊急手術を行った1例に腹腔鏡補助下虫垂切除を試み,うち1例は虫垂周囲の癒着のために開腹手術に移行したが,他の2例は腹腔鏡手術を完遂出来た.全例術後合併症は認めなかった.文献報告例は自験4例を含め11例が集計された.平均手術時年齢は10.4歳.診断時の白血球数とCRP値は低値を呈する場合が多く,診断の遅れた例を8例中3例に認めた.確定診断にはCTが10例中8例に有用であった.保存的治療後の待機手術が自験2例を含め3例に行われた.術後合併症は11例中1例のみに認められた.【結論】以上より,虫垂炎を疑った場合は積極的なCT検査の適応があると思われる.手術時期や手術法に関しては免疫抑制状態や今後の白血病治療を加味した保存的治療後の待機手術あるいは侵襲の少ない腹腔鏡手術も選択肢の一つと考えられる.

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