ベトナムにおける薬物依存症治療施設視察報告

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  • ベトナム ニ オケル ヤクブツ イソンショウ チリョウ シセツ シサツ ホウコク
  • ベトナム ニオケル ヤクブツ イゾンショウ チリョウ シセツ シサツ ホウコク

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抄録

在日ベトナム人コミュニティでは阪神大震災以降ヘロイン依存症が増加している。その回復支援のあり方を考える上で、ベトナム本国でのヘロイン依存症に対する人々の認識、治療や社会復帰の過程などについての情報を得ることが必要であると考え、ベトナムの薬物依存症治療回復施設を視察した。ベトナムでは依存症治療回復施設が各省に1-2か所以上と数多く設置され、そこでの治療・回復過程にかかる費用のほとんどを国が負担している。ヘロイン依存症者を犯罪者とは見なさず、犠牲者として専門施設で社会復帰させること、国際機関の協力による新たな治療法の導入や入所リハビリ体制の変革など、国を挙げた対策は日本も見習うべき点は多い。しかし非任意での施設収容、人権への配慮不足、法の未整備、医療人員の少なさ、HIV感染率や再入所率の高さなど解決すべき問題も多く抱えていた。今後は退所後の地域での取組みの実際も把握する必要がある。

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