保育士が捉えた「健康及び安全」への取り組み状況と課題に関する検討-保育所施設長に焦点をあてて-

書誌事項

タイトル別名
  • Implementation of "Health and Safety" and Its Problems Recognized by Directors of Childcare Centers.
  • ホイクシ ガ トラエタ 「 ケンコウ オヨビ アンゼン 」 エ ノ トリクミ ジョウキョウ ト カダイ ニ カンスル ケントウ : ホイクジョ シセツチョウ ニ ショウテン オ アテテ

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抄録

保育所管理職(以下、施設長)が捉えた保育所保育指針改定後の「健康及び安全」の取り組みの現状と課題を明らかにし、今後求められる保育所保育における看護職による健康支援のあり方について検討するため、A県内の公私立保育所で勤務する保育士1,763名のうち、施設長の職位にある130名を対象とし、郵送による無記名自記式質問紙調査を行い、62名(回収率:47.7%)からの回答を得た。その結果、全体的に取り組みができていると捉えている施設長が多かったが、「業務を担当する専門職員の配置」及び「地域や関係機関との日常的な連携」で良いまたは大変良いと回答する割合が低かった。看護職の配置の有無では「業務を担当する専門職員の配置」において、栄養士の配置の有無では「嘱託医・主治医への相談」及び「救急用の薬品及び環境整備」において有意差が確認された。「保育所職員の精神的サポート体制」では悪いまたは大変悪いと回答したものが12.8%であった。このことから、「健康及び安全」の実施体制の充実のためには、専門職としての看護職の配置、保育士に対する地域看護職及び看護教育機関からの教育的支援、メンタルヘルス対策における組織的なサポートシステムの構築などの必要性が示唆された。さらに、多大な責務を担う施設長への支援は保育所内外からの組織的な連携システムの構築が不可欠であるとの知見が得られた。

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