グルタチオンS-転移酵素の構造と機能 : 薬剤による抵抗性発現からの脱却

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タイトル別名
  • Structure and Function of Glutathione S-transferases : Breakaway from the Resistant Expression with Medicine
  • グルタチオンS-転移酵素の構造と機能─薬剤による抵抗性発現からの脱却─
  • グルタチオン S-テンイ コウソ ノ コウゾウ ト キノウ : ヤクザイ ニ ヨル テイコウセイ ハツゲン カラ ノ ダッキャク

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抄録

グルタチオンS-転移酵素(GST)はミクロソーム酸化酵素であるチトクロームP450と並んで生物体に広く存在する抱合酵素である。これは生体内で生合成や薬物の代謝分解に於いて重要な役割を演じている。α,μ,π,σクラスGSTでは,チロシンがグルタチオン(GSH)のプロトンを引き抜き,GSH抱合体を形成する。一方,昆虫のθ,δ,εクラスGSTでは,セリンが近傍のペプチド結合のカルボニル基と相俟って,GSHからプロトンを引き抜き,GSH抱合体を形成する。植物や大腸菌のGSTは昆虫と同じセリンのシステムでGSHを活性化しているようである。本稿では,このGSTの触媒機構と多様な機能を計算化学による必須アミノ酸残基の立体配座の視点から解説し,薬剤開発と抵抗性発現のイタチごっこの解消の足がかりを提案する。

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