腋窩切開のための術中肢位により腕神経叢損傷を認めた1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Brachial Plexus Injury Caused by Intraoperative Positioning of Hyperabduction of Upper Extremity in the Lateral Decubitus Position
  • 症例報告 腋窩切開のための術中肢位により腕神経叢損傷を認めた1例
  • ショウレイ ホウコク エキカセッカイ ノ タメ ノ ジュッチュウシイ ニ ヨリ ウデ シンケイソウソンショウ オ ミトメタ 1レイ

この論文をさがす

抄録

症例は12歳男児.右上葉の気管支閉鎖症に対して,左側臥位で胸腔鏡下右上葉切除術を施行した.切除肺葉を右腋窩切開創から摘出した.術後1日目(術後約12時間)に右上肢の著明な筋力の低下とC5〜Th1領域の感覚障害が明らかになった.MRI検査で腕神経叢に限局した浮腫を認めたため,ステロイドパルス療法とビタミンB12の内服を開始し理学療法を行なった.術後9日までには上肢の運動機能は改善し日常生活に支障ない程度となったが,上腕外側の感覚障害は残存した.運動障害が術前と同様に回復するまでに12週間を要した.術後20週で右上肢の感覚鈍麻領域は極めて小さな領域となり,術後40週の現在ほぼ全快している.術中肢位に伴う腕神経叢損傷を避けるために,上肢は過度な外転,外旋を避け,頭部や首の位置なども含めた体位に十分な配慮が必要と考えられたので文献的考察を加えて報告する.

収録刊行物

参考文献 (8)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ