気管切開術後の有茎性肉芽病変に対し全身ステロイド投与によりその大きさの縮小が得られ安全にスネア焼灼術をし得た1症例

  • 狩野 芙美
    島根大学医学部内科学講座呼吸器・臨床腫瘍学
  • 岩本 信一
    島根大学医学部内科学講座呼吸器・臨床腫瘍学
  • 須谷 顕尚
    島根大学医学部内科学講座呼吸器・臨床腫瘍学
  • 久良木 隆繁
    島根大学医学部内科学講座呼吸器・臨床腫瘍学
  • 礒部 威
    島根大学医学部内科学講座呼吸器・臨床腫瘍学

書誌事項

タイトル別名
  • A Case in Which Snare Ablation Was Safely Performed After Systemic Steroid Administration Reduced the Size of a Post-tracheostomy Pedunculated Granular Lesion

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抄録

背景.気管切開術後の肉芽病変形成が引き起こす気道狭窄は深刻な中枢気道狭窄の原因の1つである.今回ステロイドの全身投与により肉芽病変の縮小が得られ,安全にスネア焼灼術をし得た症例を経験したので報告する.症例. 60歳代 男性.舌癌に対する手術の際に気管切開術を行い,術後13日目に気管カニュラを抜去した.術後3か月ごろより呼気時の気道閉塞感が出現し,仰臥位や左側臥位での呼吸困難感が徐々に増悪したため,精査目的で入院した.造影CTで気管切開部由来の9×15mmの有茎性病変による気管狭窄を認め,気管支内視鏡による観察で体動や咳嗽に伴う肉芽病変の移動により気管内腔は著明に狭窄した.長時間の仰臥位保持ができず,窒息の危険も高かったため,即時のインターベンションは不可能であった.ステロイドの全身投与を行ったところ肉芽病変は著明に縮小し,気道閉塞感の改善を認めた.残存部に硬性鏡で全身麻酔下にスネア焼灼術を行い,気道の完全なる確保を図った.結論.気管切開術後の有茎性肉芽病変に対して術前に全身ステロイドを投与することによりその縮小が得られ,安全にインターベンションを行うことが可能であった.

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 34 (6), 599-603, 2012

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

参考文献 (15)*注記

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