メンタルヘルス問題のある親による虐待事例に対する相談援助職の認識 : 児童福祉と精神保健福祉における差異を焦点として

  • 松宮 透高
    県立広島大学保健福祉学部:東洋大学大学院福祉社会デザイン研究科博士後期課程
  • 八重樫 牧子
    福山市立大学教育学部

書誌事項

タイトル別名
  • Research on Perspective Bias about Child Abuse Case by Parents with Mental Health Problems, Based on Comparison of Recognition of Family Social Workers and Social Workers of Child Guidance Center, Child and Family Support Center, and Mental Hospital and Clinic
  • メンタル ヘルス モンダイ ノ アル オヤ ニ ヨル ギャクタイ ジレイ ニ タイスル ソウダン エンジョショク ノ ニンシキ : ジドウ フクシ ト セイシン ホケン フクシ ニ オケル サイ オ ショウテン ト シテ

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抄録

メンタルヘルス問題のある親による虐待事例への支援においては,児童福祉と精神保健福祉連携が不可欠であるが,実際には不十分な状況にある.本研究は,その要因のひとつと考えられる両領域間の相談援助職の認識を明らかにすることを目的として,児童福祉施設および相談機関の相談援助職と精神科医療機関に所属する精神保健福祉士を対象に,当該事例に対する関与実態と認識についての質問紙調査を行った.その結果,当該事例について相談援助職間で認識の差異があることが明らかになった.またその背景には,精神保健福祉士の当該事例への関与機会の乏しさ,相互の領域に関する研修の乏しさなどがみられた.こうした不十分な連携と支援プログラムの乏しさのなかで,児童福祉の相談援助職は強い困難感やストレスを抱きながら当該事例への支援を多く担っていた.研修体制の拡充や適切な人員の配置により,支援環境の整備と両分野における認識の共有を図る必要があるといえる.

収録刊行物

  • 社会福祉学

    社会福祉学 53 (4), 123-136, 2013-02-28

    一般社団法人 日本社会福祉学会

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