開発要員数とその誤差を考慮した工数見積もり方法

この論文をさがす

抄録

数学的モデルに基づく工数見積もりでは,開発するソフトウェアの規模と生産性要因を説明変数として工数を見積もる.いくつかの先行研究では,開発要員数が工数見積もりモデルの説明変数として用いられている.要員数はプロジェクトの生産性との関連が強いことが指摘されており,要員数を説明変数として用いることにより,モデルの見積もり精度向上が期待できる.ただし,工数見積もり時における要員数は見積もり値であり,実績の要員数との誤差が生じることにより見積もり精度が低下する可能性がある.そこで本稿では要員数を用いた新たな見積もり方法を提案する.提案方法では,要員数が過去プロジェクト平均と比較して非常に小さいと見積もられた場合,要員数が小さいことを前提とするモデルを用いる.逆に,要員数が非常に大きいと見積もられた場合,要員数が大きいことを前提とするモデルを用いる.これらに当てはまらない場合,要員数を説明変数に含まないモデルを用いて工数を見積もる.評価実験において,要員数の誤差を実験的に変化させ,提案方法の見積もり精度を評価した.その結果,提案方法は要員数の誤差に対してロバストであり,特に要員数の誤差が不明な場合や誤差が大きい場合に有効に働くことがわかった.

収録刊行物

キーワード

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1573950402648019840
  • NII論文ID
    110009585638
  • NII書誌ID
    AN10112981
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • CiNii Articles

問題の指摘

ページトップへ