書誌事項
- タイトル別名
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- Efficacy of Sonic and Ultrasonic Irrigation for the Removal of Calcium Hydroxide Paste in the Root Canal : A Microtomographic Study
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抄録
目的:本研究の目的はエアスケーラーを用いて根管洗浄を行い,水酸化カルシウム材の除去効率を評価することである.材料と方法:実験には2根管性の樹脂製根管模型(ディーメック)21本を用いた.この樹脂製根管模型は,根尖から5,9mmの位置にそれぞれイスムスを有している.樹脂製根管模型に水酸化カルシウム材(カルシペックスII,日本歯科薬品)を緊密に填入した.7日後,樹脂製根管模型を7本ずつ3群に無作為に分類し,A(従来法での根管洗浄),B(エアスケーラー洗浄)およびC(超音波洗浄)群とした.A群では27G根管洗浄針(ニプロ)を用いて30秒間根管洗浄を行った.洗浄液は精製水とし,洗浄針の先端は根尖から3mmの位置とした.B群ではエアスケーラー(サリー,ヨシダ)を用いて15秒間注水下にて根管洗浄を行った.C群では超音波スケーラー(グランドピエゾ,ヨシダ)を用いて15秒間注水下にて根管洗浄を行った.根管洗浄終了後,マイクロフォーカスX線CT撮像を行った.得られた画像より,三次元画像解析ソフト(Amira5.3, Visage Imaging,オーストリア)を用いて根管内に残留した水酸化カルシウム材の体積を算出した.データは一元配置分散分析およびTukey-Kramer法を用いて統計学的解析を行った.有意水準は5%とした.結果:すべての群において,完全な水酸化カルシウム材の除去は不可能であった.A群ではB,C群と比較して有意に多い水酸化カルシウム材の残留を認めた.しかしながら,B,C群間において残留水酸化カルシウム材体積に有意差は認めなかった.結論:本研究の結果,エアスケーラーおよび超音波スケーラーを用いた根管洗浄は,洗浄針を用いた従来法での根管洗浄と比較して有意に良好な水酸化カルシウム材除去効率を示すことがわかった.また,エアスケーラーおよび超音波スケーラーを用いた根管洗浄において,水酸化カルシウム材除去効率に有意差を認めないことがわかった.
収録刊行物
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- 日本歯科保存学雑誌
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日本歯科保存学雑誌 55 (5), 328-332, 2012
特定非営利活動法人 日本歯科保存学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205522643328
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- NII論文ID
- 110009596715
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- NII書誌ID
- AN00191201
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- ISSN
- 21880808
- 03872343
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可