鉄系超伝導体における「軌道の物理」の新展開(最近の研究から)

書誌事項

タイトル別名
  • Recent Development of Novel Orbital Physics in Iron-Based Superconductors(Current Topics)
  • 鉄系超伝導体における「軌道の物理」の新展開
  • テツケイ チョウデンドウタイ ニ オケル 「 キドウ ノ ブツリ 」 ノ シン テンカイ

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抄録

鉄系超伝導体の正常状態において,構造相転移や弾性率のソフト化,ネマティック秩序など軌道揺らぎの重要性を示唆する実験が相次いで報告された.これら正常状態の特徴は,超伝導発現機構の解明においても重要であるため注目を集めてきたが,平均場近似の枠内では理解できなかった.最近,平均場近似を超えた多体効果であるバーテックス補正によって軌道揺らぎがスピン揺らぎと協調して発達する機構が発見され,正常状態の電子状態や相図の理解が進展した.軌道揺らぎにより誘起される超伝導はS_<++>波であり,スピン揺らぎとの競合により多様なギャップ関数が発現する.本理論と各種実験結果との対応を調べ,超伝導発現機構を議論する.

収録刊行物

  • 日本物理学会誌

    日本物理学会誌 68 (4), 231-235, 2013-04-05

    一般社団法人 日本物理学会

参考文献 (41)*注記

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