日本人学生が在日留学生の友人に期待する行動 : 異文化間ソーシャル・スキルの実践による異文化間対人関係形成への示唆

書誌事項

タイトル別名
  • Behaviors that Japanese Students Expect from Their International Friends : Analyzing Perspectives of Cross-Cultural Social Skills and Formation of Interpersonal Relationships

抄録

本研究は、日本人学生と留学生の対人行動のずれが、両者の友人関係形成の困難を生じさせる可能性があるとの観点から、留学生が友人となった場合に日本人学生が期待する行動を、三つの質問紙調査を通じて解明しようとした。研究1では、学内の一般的な接点として授業場面を想定し、クラスメイトの留学生にどのような行動面での文化受容を期待するかを、日本人学生に尋ねた。彼らはスムーズに課題を進められる範囲の行動を望んでいた。しかし、授業以外の場での行動には特にこだわってはいなかった。研究2では、より親密で具体的な行動の期待に焦点を当てるため、私的な友人グループに留学生が属する想定のもとで、異文化間ソーシャル・スキル(田中, 1991)の実施をどの程度望むかを、日本人学生に尋ねた。彼らは、相手を理解しようとする姿勢や、積極的な意思疎通を図る行動は望むものの、日本的な遠慮など伝達を複雑にする文化行動は特に望んではいなかった。研究3では、さらに斉一性の圧力が予想される親密な集団としてサークル場面を想定し、メンバーの留学生が文化規範に則した、ないしは即さない行動をとった場合、日本人学生がそれをどうとらえ、どう接するかを尋ねた。彼らは、行動がどの程度日本的かではなく、文化行動の実践を試みる姿勢自体を評価した。その結果、ゲストが行動面で歩み寄りを示すことは、友人関係形成の障害の軽減につながる可能性が示唆された。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680758935808
  • NII論文ID
    110009605121
  • DOI
    10.20657/jsmrejournal.8.0_35
  • ISSN
    21898650
    13495178
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
    • KAKEN
    • Crossref
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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