高齢精神障害者の在宅生活支援において介護職がケアに困った利用者の行動とその対処

  • 原田 小夜
    聖泉大学看護学部看護学科:京都大学大学院医学研究科人間健康科学専攻博士後期課程

書誌事項

タイトル別名
  • Care Recipients' Behaviors that Make it Difficult for Home Helpers to Cope with the Provision of Home Care for Elderly People with Mental Disorders

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抄録

本研究は,高齢精神障害者の在宅生活支援においてホームヘルパー(以下,HH)が対応に困った利用者の行動とHHの対処を検討するためにインタビュー調査を行った。対応に困った利用者の行動を抽出し,カテゴリ分類を試みた。HHの対処を4段階のレベル,1「全く対応できなかった」.2「対応できなかった」.3「対応できた」,4「上手く対応できた」に分類し,利用者の行動別に対処レベルの割合を求めた。HHが困った利用者の行動は151件で,7カテゴリ,18サブカテゴリに分類された。《精神症状への対応》51件,《うつ状態への対応》5件,《不安への対応》12件,《拒否・攻撃への対応》17件,《生活障害への対応》36件,《コミュニケーションの取り方》23件,《認知機能を伴う行為》7件であった。対処行動は,レベル1が31.1%,レベル2が29.1%,レベル3が21.9%,レベル4が17.9%であった。《精神症状への対応》,《うつ状態への対応》,《拒否・攻撃への対応》が低く,《不安への対応》,《認知機能を伴う行為》で高かった。《生活障害への対応》,《コミュニケーションの取り方》は,サブカテゴリにより異なった。HHのケア困難感を軽減するためには,(1)精神症状と障害の理解と対処に関する教育プログラムの開発,(2)ケアチームの医療職に相談できる体制づくり,(3)HHの観察情報の多職種ケアチームでの共有とケアモニタリングでの活用の3点の重要性が示唆された。

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参考文献 (14)*注記

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