バラのソフトクリームでアナフィラキシーを呈したPollen Food Allergy Syndromeの1例

  • 北林 耐
    山王病院小児科:国際医療福祉大学臨床医学研究センター
  • 佐藤 佐由里
    山王病院皮膚科
  • 足立 満
    山王病院アレルギー内科:国際医療福祉大学臨床医学研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • A CASE OF ANAPHYLAXIS DUE TO ROSE-FLAVORED SOFT-SERVE ICE CREAM WITH POLLEN FOOD ALLERGY SYNDROME
  • 症例報告 バラのソフトクリームでアナフィラキシーを呈したPollen Food Allergy Syndromeの1例
  • ショウレイ ホウコク バラ ノ ソフトクリーム デ アナフィラキシー オ テイシタ Pollen Food Allergy Syndrome ノ 1レイ

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抄録

バラのソフトクリームによりアナフィラキシーを呈した10歳男児例を経験した.リンゴ,モモ,ビワ,ナシ,キウイを食べると咽頭に違和感を生じるため,ImmunoCAP ISACでアレルゲンコンポーネントに対する特異的IgEを調べたところ,シラカンバ,ハンノキ,ハシバミ,リンゴ,モモ,ピーナッツ,ヘーゼルナッツ,大豆の各PR-10タンパクが陽性を示し,カバノキ科の花粉とバラ科の果物の交差反応によるPollen Food Allergy Syndrome (PFAS)と診断した.アナフィラキシーの原因がバラのソフトクリーム中に含まれるバラの成分にあると考え,赤バラシロップについてas isでプリックテストを行ったところ強陽性を示したが,含有されているバラ香油,食用赤色2号については陰性であった.その後赤バラシロップ中にリンゴ果汁が含まれていることが判明したため,リンゴについてprick-prick testを施行したところ強陽性が確認され,これが原因と考えられた.食品を製造,加工して一般消費者に直接販売する場合には特定原材料の表示をする義務がないため,アレルギー物質が入っているとは知らずに誤って摂取する可能性があり,今後表示方法を改善していく必要があるように思われた.

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 62 (5), 574-578, 2013

    一般社団法人 日本アレルギー学会

参考文献 (7)*注記

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