肝胆道悪性疾患に対する微線維コラーゲンを用いた術前門脈塞栓術の有用性と安全性についての検討

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タイトル別名
  • Efficacy and safety of preoperative portal vein embolization with microfibrillar collagen for hepatobiliary malignancy

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抄録

目的:胆道癌と大腸癌肝転移に対する大量肝切除後残存予定肝 (FLR) の肥大を目的に,微線維コラーゲン (MFC) を用いた術前門脈塞栓術 (PVE) について有用性と安全性について検討した.<br> 対象と方法:MFC を用い,術前門脈塞栓を施行した胆道癌と大腸直腸癌肝転移の連続35症例 (男:女=29:6,平均64歳,胆管癌:肝内胆管癌:胆嚢癌:肝転移=20:2:5:8,1例は術後黄色肉芽腫性胆嚢炎と確定,のべアプローチ同側:対側=35:1) の全肝容量 (TLV),FLR の変化,肥大率,合併症について後方視的に検討した.<br> 結果:全例で成功し,FLRは前後で 434cm³ から 524cm³,標準化FLR の TLV比は 37.9%から 46.1%に増加した.平均標準FLR増加率は 8.2%,肥大率は 23%であった.求心性選択塞栓group は標準FLR増加率が 9.5%,肥大率は 27%と優れていた.重大な合併症は認めなかった.<br> 結論:胆道癌,大腸癌肝転移症例に対するMFC による術前門脈塞栓術は安全で十分な肥大が得られ,有用である.

収録刊行物

  • 弘前医学

    弘前医学 64 (1), 1-14, 2013

    弘前大学大学院医学研究科・弘前医学会

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