企業の年金保険料負担が資本蓄積に及ぼす効果について

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  • キギョウ ノ ネンキン ホケンリョウ フタン ガ シホン チクセキ ニ オヨボス コウカ ニツイテ
  • Effects of Pension Contribution paid by Firms on Capital Accumulation

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抄録

従来, 年金システムをモデル分析する際は世代間扶養の関係が重要であるために, 多くの場合, 世代重複モデルの枠組みで行われてきた。こうしたモデル分析においては, 基本的に勤労者のみが保険料を負担することが想定されている。しかし, 我が国の厚生年金や共済年金における年金保険料は労使折半となっている。企業が全く保険科を負担しない公的年金制度は世界でもあまり例がないと思われる。本稿は勤労者のみならず企業も年金保険料を負担する場合のモデルの分析を行う。生産関数がコブ・ダグラス型で定常成長に収束するモデルと, 生産関数に労働投入に関する外部性を仮定して内生的成長が生じるモデルの両方において企業の年金支払いの経済効果を検討する。そして両者において勤労者の支払う保険料率よりも企業の支払う保険料率を引き上げる方が資本蓄積に対するマイナス効果が小さいことを明らかにする。

収録刊行物

  • 経済学雑誌

    経済学雑誌 114 (1), 43-57, 2013-06

    大阪市立大学経済学会

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