ハタケシメジ廃菌床のオートクレーブ水抽出液によるイネいもち病の発病抑制

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  • Suppression of rice blast disease by autoclaved water extract from the spent mushroom substrate of Lyophyllum decastes

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抄録

ハタケシメジ(Lyophyllum decastes)の廃菌床のオートクレーブ水抽出液(AWESMS)のイネいもち病に対する発病抑制効果を検討した.イネ品種コシヒカリに抽出液を前処理しておくと蒸留水やハタケシメジの未接種菌床抽出液(AWEMS)の前処理に比べて葉いもちの発生が著しく抑制された.発病の抑制効果は廃菌床抽出液の処理2日後から認められ,14日後まで持続した.AWESMSとAWEMSは共にいもち病菌の胞子発芽や付着器形成は阻害しなかった.また,葉身の一部をアルミ箔で覆ったイネ株にAWESMSを噴霧後,いもち病菌を接種し,アルミ箔で被覆していない処理部における病斑形成抑制効果がアルミ箔で被覆した非処理部にも及んでいるか否かを調査した.その結果,非処理部の病斑形成率も処理部ほどではないが,抑制された.以上のことは,AWESMSによる発病抑制は全身的誘導抵抗性によるものであり,AWESMSが新規な抵抗性誘導剤の有用な資材になることが示された.また我々の結果は,きのこ栽培後にゴミとして出てくる廃菌床の再利用法についての新しい情報になると考える.

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