知能の分子構造

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タイトル別名
  • The Molecular Structure of Intelligence

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抄録

ヒト音声言語はデジタル通信であり,具体的には音素性による符号語の恣意的で無限の創出能力と,音節のもつアクセントの微小エネルギーによって文法が使えるようになり,概念を文法的に紡いだ情報を交換できるという特徴をもつ.動物の脊髄記号反射は,記号のパターン認識 (A か非 A かの判断を行う二分法) とその運動ベクトル成分を二元論的に統合するが,言語は概念をパターン認識し,文法が論理ベクトルを指し示す二元論である.免疫細胞や免疫グロブリン分子は二分法の論理を抗原抗体反応としてもち,二元論の論理を可変部抗原結合領域から不変部結晶化可能領域への信号伝達系が提供すると考えられる.免疫抗体の抗原結合領域は,抗原の形状に対応して数千万種類の特異性結合ペアをつくるが,これが概念の音声波形に対応して言語記憶を司る.言語記憶と五官記憶の接触や,言語記憶同士の接触に際して,文法的統合にも使われる二元論論理が,喜怒哀楽の感情や二値的あるいは数理記号的な思考結果を生み出す.こうして蓄積される言語記憶と思考結果が自己創生的に構築するデータベースが知能ではないか.

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1573387452728588672
  • NII論文ID
    110009658706
  • NII書誌ID
    AA11135936
  • ISSN
    09196072
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • CiNii Articles

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