K-Ar法を用いた惑星探査におけるその場年代計測法の開発(2012年度最優秀発表賞受賞論文)

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タイトル別名
  • Development of an in-situ K-Ar dating instrument
  • 2012年度最優秀発表賞受賞論文 K-Ar法を用いた惑星探査におけるその場年代計測法の開発
  • 2012ネンド サイユウシュウ ハッピョウショウ ジュショウ ロンブン K-Arホウ オ モチイタ ワクセイ タンサ ニ オケル ソノ バ ネンダイ ケイソクホウ ノ カイハツ

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抄録

惑星表面に生起した地質学的イベントのもつ絶対年代は,惑星の進化を理解する上で不可欠の物理量でありながら,アポロ・ルナの回収試料を除いて直接の計測がなされていない.その原因は,正確な年代計測に必要な岩石のサンプルリターン探査が未だ困難なためである.それに対し,惑星表面上で岩石の年代計測が可能となれば,探査計画のコストやリスクの大幅な軽減が可能となり,将来のサンプルリターン探査においても惑星上での試料選別が可能になるなど,非常に大きな利点を持つ.本研究では,惑星探査で実績をあげつつあるレーザー誘起発光分光法(LIBS)と四重極型質量分析計(QMS)に着目し,それらを組み合わせたカリウム-アルゴン年代計測法の基礎技術を新規に開発した.これまでのところ,約18億年の年代をもつ3個の鉱物試料に対して, 17±1, 19±3, 20±2億年のモデル年代を得たほか, 18.5±0.4億年の模擬的なアイソクロン年代をもつ試料群に対し, 16.9±2.3億年という計測値を達成している.本成果は,惑星表面上その場年代計測の実用化が近い将来であることを強く予感させるものである.

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