肺原発と思われた印環細胞型腺癌の気管・気管支内転移の1例

DOI
  • 藤原 尚子
    自治医科大学附属さいたま医療センター呼吸器科
  • 三輪 千尋
    自治医科大学附属さいたま医療センター呼吸器科
  • 岩井 悠希
    自治医科大学附属さいたま医療センター呼吸器科
  • 野村 基子
    自治医科大学附属さいたま医療センター呼吸器科
  • 白石 守
    自治医科大学附属さいたま医療センター呼吸器科
  • 渡辺 恭孝
    自治医科大学附属さいたま医療センター呼吸器科
  • 小山 信一郎
    自治医科大学附属さいたま医療センター呼吸器科

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Signet-ring Cell Adenocarcinoma with Endotracheal and Endobronchial Metastasis, with the Lungs Suspected as the Primary Origin

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抄録

背景.肺原発の印環細胞癌はまれな組織型であり,その報告は少ない.症例. 55歳男性,検診の胸部単純X線写真で網状影,腹部超音波で肝腫瘤性病変を指摘され,肺の炎症性変化と肝血管腫と診断された.しかし,1年後肺および肝臓の病変が増悪したため,精査目的に来院となった.肝生検で印環細胞型腺癌と診断され,また胸部CTでは小粒状影と小葉間隔壁の肥厚よりサルコイドーシスを疑われ,気管支鏡検査を施行した.その結果,気管支内腔に多発するポリープ状腫瘤を認め,生検で肝と同様の印環細胞型腺癌を認めた.種々の検査を行ったが原発巣は不明であり, thyroid transcription factor-1 (TTF-1)の免疫染色から肺原発と診断した.結論.肺原発の印環細胞癌の気管・気管支内多発転移という,まれな症例を経験した.

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 35 (5), 493-498, 2013

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

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