移動アンカノードを用いた三辺測量による水中センサノードの低コスト位置推定手法

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  • Low-cost Localization Method for Underwater Sensor Nodes by Trilateration Using Mobile Anchor

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抄録

水中センサネットワークは,赤潮や地震調査などでの活用が期待されている.センサノードを海底に配置するには海上から投入する方法が考えられるが,その場合,海底に沈んだセンサノードの位置は投入地点から推測可能ではあるが,正確には特定できない.しかし,水中センサネットワークではセンサノードの故障位置やイベントの発生位置などを知るために,センサノードの位置を特定することは非常に重要である.本研究では,GPSにより位置が判明しているアンカノードが海面上を移動しながら,音波の送受信により測定したアンカノードから各センサノードまでの距離とセンサノードの水圧センサの情報をもとに,低コストで各センサノードの位置を推定する.ノードの位置を推定するためには,各センサノードにつき海上の3地点(測距点)での距離測定が必要である.提案手法では,アンカノードの巡回コストが最適な測距点の集合を求めるため,各センサノードにつき3つの測距点をランダムに配置し,全測距点を巡回する最短経路をLin-Kernighan法により求める.そして,共役勾配法を使って測距点を再配置することで距離測定回数の最小化を行う.その際,塩分濃度や水温などに基づく音速の変化によって生じる測定距離の誤差および位置推定誤差ができるだけ小さくなるよう,測距点の配置を工夫する.シミュレーションに基づく評価実験の結果,3つの測距点が正三角形に近く,測距点間の距離が離れているほど高精度に位置推定できることが分かった.また,測距点の配置を鋭角三角形に制限したとき,提案手法は,一般的な方法より27-34%少ないコストで平均誤差119-137mでのノードの位置推定ができた.

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