肺葉切除後の気管支断端瘻に対してポリグリコール酸シートとフィブリン糊による気管支鏡下閉鎖術が奏効した2例

• 川村 昌輝

  東北大学加齢医学研究所呼吸器外科学分野

• 遠藤 千顕

  東北大学加齢医学研究所呼吸器外科学分野

• 桜田 晃

  東北大学加齢医学研究所呼吸器外科学分野

• 岡田 克典

  東北大学加齢医学研究所呼吸器外科学分野

• 星川 康

  東北大学加齢医学研究所呼吸器外科学分野

• 野田 雅史

  東北大学加齢医学研究所呼吸器外科学分野

• 保坂 智子

  東北労災病院呼吸器外科

• 前田 寿美子

  東北大学加齢医学研究所呼吸器外科学分野

• 新井川 弘道

  東北大学加齢医学研究所呼吸器外科学分野

• 野津田 泰嗣

  東北大学加齢医学研究所呼吸器外科学分野

• 渡邉 龍秋

  東北大学加齢医学研究所呼吸器外科学分野

• 石橋 直也

  東北大学加齢医学研究所呼吸器外科学分野

• 近藤 丘

  東北大学加齢医学研究所呼吸器外科学分野

書誌事項

タイトル別名

• Two Cases of Successful Bronchoscopic Intervention for Bronchial Stump Fistula with Polyglycolic Acid Sheet and Fibrin Glue

抄録

背景.肺切除後の気管支断端瘻と膿胸は治療に難渋する合併症であり,気管支鏡下治療の有効性と種々の手技が報告されている.症例1.72歳,男性.右肺下葉切除および中葉楔状切除後に膿気胸を発症した.気管支鏡検査にて右下葉支断端に3mm大の瘻孔を認めた.前医でのポリドカノール粘膜下注入療法は無効であったが,ポリグリコール酸シートとフィブリン糊を充填し瘻孔を閉鎖し得た.閉鎖術後2年2か月時点で膿気胸は無再発である.症例2.67歳,男性.左肺下葉切除後に膿胸を発症し,膿胸腔掻爬術を施行した.術後に気管支断端の壊死による微小気管支断端瘻と診断し,症例1と同様の手技にて気管支鏡下に瘻孔を閉鎖した.膿胸は再発することなく,閉鎖術後9か月目に癌性髄膜炎を発症し死亡した.結論.ポリグリコール酸シートとフィブリン糊による気管支鏡下瘻孔閉鎖術は簡便で有用な治療選択肢と考える.

収録刊行物

• 気管支学

  気管支学 35 (3), 271-276, 2013

  特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

キーワード

• 気管支断端瘻
• 気管支鏡下閉鎖術
• ポリグリコール酸シート(PGAシート)
• フィブリン糊

詳細情報

• CRID: 1390282679731242368
• NII論文ID: 110009668430
• DOI: 10.18907/jjsre.35.3_271
• ISSN: 21860149
• ISSN: 02872137
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2013284529
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可