ハチミツの結晶化による液状部分と固体部分の成分比較

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タイトル別名
  • Ingredient Comparison of Liquid and Crystal in Crystallization of Honey

抄録

近年の健康志向の高まりとともに,ハチミツに含まれているブドウ糖,加糖,オリゴ糖,各種ビタミン,ミネラル,アミノ酸等の栄養素が注目され,健康食品としての需要も高まっている。採蜜時のハチミツは透明な液体状のものであるが,物理的現象としてしばしば結晶化する。ハチミツの結晶化は,ブドウ糖や果糖などの糖質が過飽和状態にあり,ハチミツ中の花粉などを結晶核として糖質の微細な結晶が成長して固体状になると考えられているが,いままでに明確な報告はされていない。本研究では,ハチミツの液状部分と固体部分において,花粉数と微量元素の含有量を測定し,さらに精製ハチミツにおいても同様に微量元素を測定することで,結晶化による液状部分と固体部分の微量元素成分の推移を比較検討した。その結果,ハチミツの種類によって液状部分と固体部分に含まれている花粉数に違いがあり,定説通り固体部分に花粉が多く含まれていた。また,微量元素においては主成分解析の結果,ハチミツの液状部分と固体部分の含有量に違いが見られ,液状部分に微量元素が多く含まれていた。精製ハチミツにおいても,同様に液状部分に微量元素が多く含まれ,結晶化により微量元素が液状部分に濃縮されていることが明らかになった。このことから,ハチミツ中の微量元素は花粉に含まれているものばかりでなく,花蜜由来のものも多いことが判明した。

収録刊行物

詳細情報

  • CRID
    1390282679460055296
  • NII論文ID
    110009688332
  • DOI
    10.20685/kenkouigaku.22.4_247
  • ISSN
    24239828
    13430025
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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