社会政策論の国家論 : 西村豁通の社会政策理論の意義とその問題点の克服(<小特集>日本社会政策論史と故西村豁通会員)
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- 高田 一夫
- 一橋大学
書誌事項
- タイトル別名
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- A Theory of the State to Establish the Theory of Social and Labor Policies : The Legacy of Hiroinichi Nishimura and Beyond
抄録
本稿は西村豁通の社会政策論を総括し,それをさらに深化させるため新たな理論を提示したものである。西村は,1980年代までの社会政策論を総括して,社会政策論には国家論が不可欠であることを主張した。しかし,彼自身の国家論は提示しないで逝去した。そこで筆者は,社会政策の螺旋理論と名づけた新理論を提示した。社会政策は社会問題に対する国家の対応策である。市民社会内で共同的解決を必要とすると判断された状況が社会問題である。社会問題が発生して政治問題化するプロセスを解明する構造理論と,この構造の変動を明らかにする歴史理論の2つから螺旋理論は構成される。この2つの部分理論をつなぐものが社会規範である。社会政策の中には社会規範が埋め込まれている。この社会規範を構造的,歴史的に分析することが社会政策の螺旋理論である。
収録刊行物
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- 社会政策
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社会政策 4 (3), 109-119, 2013
社会政策学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001206118773248
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- NII論文ID
- 110009688487
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- ISSN
- 24332984
- 18831850
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可