医療扶助費の決定要因に関する分析 : 都道府県別集計データを利用して
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- 大津 唯
- 慶應義塾大学
書誌事項
- タイトル別名
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- An Analysis of the Medical Assistance Costs in Japan
抄録
生活保護の最大費目である医療扶助費は近年急増し,その抑制が政策的に推進されている。しかし一人当たり医療扶助費は減少傾向にあり,この点に関する分析はこれまで十分に行われてこなかった。そこで本稿では,1999年から2007年までの都道府県別集計データを用い,一人当たり医療扶助費の決定要因に関する検討を行った。その結果,(1)精神病入院患者の割合が高いほど,入院の一人当たり医療扶助費が高くなること,(2)「その他世帯」割合が上昇すると,64歳以下の一人当たり医療扶助費が入院,外来ともに減少すること,(3)相対的な医師数が多いほど,入院,外来ともに65歳以上の一人当たり医療扶助費が高くなること,などが観察された。精神病入院患者の退院促進は,医療扶助費の抑制には大きな効果を持つものと考えられるが,その妥当性については,医学的観点や社会的観点から極めて慎重に検討されなければならない。
収録刊行物
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- 社会政策
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社会政策 4 (3), 152-163, 2013
社会政策学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282681095473536
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- NII論文ID
- 110009688491
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- ISSN
- 24332984
- 18831850
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可