福祉国家転換と「新しい公共」 : 脱商品化・脱家族化・脱集権化のガバナンス(<特集>「新しい公共」と社会政策-社会政策学会第125回大会共通論題)
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- 宮本 太郎
- 中央大学
書誌事項
- タイトル別名
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- "New Public Commons" and the Changing Welfare Slates : New Governance for Decommodification. Defamilialization, and Decentralization.
抄録
本論文は,「新しい公共」をめぐる構想と制度改革が,20世紀型福祉国家の転換とどのように連関しているか,そしてそのなかで,「新しい公共」の辿る方向に関して,いかなる分岐が生じているかを明らかにしたものである。まず,20世紀型福祉国家のレジームと非営利セクターのレジームが対応関係にあることが示される。その上で,従来の福祉国家が「新しい社会的リスク」への対応に失敗するなかで,公共サービスの提供体制は,営利・非営利セクターへの委託を拡大し同時に公的財源の比重を高めるという方向で,各国で収斂している事実が提示される。その一方で,その委託の手続きがいかなる評価手法においておこなわれ,公的財源の規模がどれはどの比重となり,さらにその結果,「新しい公共」を担う社会的企業のガバナンスにいかなる変化が生じるかで,「新しい公共」の行方が分岐していくことが展望される。
収録刊行物
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- 社会政策
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社会政策 5 (1), 61-72, 2013
社会政策学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282681095444864
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- NII論文ID
- 110009688510
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- ISSN
- 24332984
- 18831850
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可