スウェーデン労使関係の動向 : 職場の組合の交渉力と労使関係の二層構造(<小特集2>スウェーデンの雇用・労働・労使関係)

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タイトル別名
  • Current Trends in Swedish Industrial Relations

抄録

1980年代以降,先進諸国における労使関係は「分権化」と「個別化」が進展したと言われている。本稿では,J.T.ダンロップの労使関係論における実体的ルールに着目し,そうした動向の下で,労働力の取引が,実際にどのように変化したのかについて明らかにする。本稿では,事実発見を通して,次の三つのことを指摘している。第一に賃金交渉形態は変化したが,職場の労使関係には大きな変化が生じていなかったことである。職場の組合は,かつては出来高給の能率部分を「ごまかす」ことで,現在は能力査定を利用することで,賃上げを獲得している。第二に,産別協約は,特に大企業における企業レベルの組合の交渉力を抑え,人件費の抑制に寄与している面があることである。最後に職場組合の交渉力が,スウェーデンの労使関係の二層構造を維持する動力となっていることを指摘している。

収録刊行物

  • 社会政策

    社会政策 5 (1), 136-151, 2013

    社会政策学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282681095256832
  • NII論文ID
    110009688518
  • DOI
    10.24533/spls.5.1_136
  • ISSN
    24332984
    18831850
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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