台湾の高等学校英語教科書の題材研究

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タイトル別名
  • An Analysis of Lesson Topics within Senior High School English Textbooks in Taiwan
  • 日本との比較を中心とした分析
  • Commonalities with and differences from the Japanese situation

抄録

 台湾は英語が外国語として教えられる社会的背景が日本と似ており、6-3-3(5)制の学校教 育制度も日本と同様である。しかしながら、英語教育ではすでに1990年代には小学校に公式 に英語教育が導入され始め、現在は小学校から高校までの一貫カリキュラムを実施している。 近年、アジア諸国の英語教育が注目されているが、隣国台湾で2005年から開始された小学校 から大学までの英語教育改革を検討していく価値は大きい。本研究では、台湾の高等学校で 使用されている英語の教科書で扱われている題材を分析した。これを日本のものと比較する ことにより、その特徴を捉え、日本の英語教育に示唆するものを明らかにすることが目的で ある。 <br>  調査の対象とした教科書は、台湾で最も多く使用されている教科書会社3社のもので、合 計18冊(一学年2冊使用)である。それらの教科書で扱われている題材内容を日本十進分類 法(NDC)に基づいて分類し、その結果を分析・検討した。その特徴としては、1)「言語」 としての英語が多く取り扱われ、実用的な英語の題材が、「読む」「書く」「話す」「聴く」の 4技能の観点から取り上げられており、とりわけ、「自分の意見を書く」指導を重視している こと 2)古典や現代の文学作品を多く取り上げ、中でも「詩」を重視し、人間性の教育を 重んじていること、が挙げられる。題材内容については、日本に比べ文学作品が多く取り扱 われている(台湾19%:日本3%)。この傾向は、新学習指導要領に則った改訂後の教科書に ついてもその傾向が変わらないことが明らかとなった。文学作品を取り扱うことは、英語で ものを考え、論理的思考に働きかける教材として、欧米では言語教育において広く使用され ており、これからの日本の英語教育でもその可能性が大いに検討される価値のあるものであ ろう。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680759587584
  • NII論文ID
    110009760910
  • DOI
    10.20700/kitasatoclas.19.0_69
  • ISSN
    24240125
    13450166
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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