喀血を主訴とし,びまん性肺胞出血との鑑別を要した気管気管支骨軟骨形成症の1例

DOI
  • 磯部 全
    磯部クリニック:群馬大学医学部付属病院呼吸器アレルギー内科
  • 佐々木 信一
    順天堂大学医学部附属浦安病院呼吸器内科
  • 神戸 将彦
    群馬大学医学部付属病院呼吸器アレルギー内科
  • 相澤 智弘
    群馬大学医学部付属病院呼吸器アレルギー内科
  • 原 健一郎
    群馬大学医学部付属病院呼吸器アレルギー内科
  • 前野 敏孝
    群馬大学医学部付属病院呼吸器アレルギー内科

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Tracheobronchopathia Osteochondroplastica with Hemoptysis That Was Differentially Diagnosed from Diffuse Alveolar Hemorrhage

この論文をさがす

抄録

背景.気管気管支骨軟骨形成症(tracheobronchopathia osteochondroplastica : TO)は稀な疾患であり,その1症状として血痰,喀血が知られている.症例. 59歳.男性.労作時呼吸困難と喀血を主訴とし,緊急入院となった.胸部CTでは両側びまん性浸潤影を呈しており,気管の変形と内腔に鋸歯状に突出した石灰化病変を認めた.入院後,気管支鏡検査を行った.気管下部から左右気管支の膜様部以外に,米粒大の多発性小隆起性病変を認めた.特徴的な内腔所見とCT所見からTOと診断した.また右B^4aで施行した気管支肺胞洗浄液は血性であった.臨床的・血清学的にもびまん性肺胞出血をきたす疾患は否定的であった.その後は症状,画像所見ともに自然軽快し,再発は認めなかった.以上より,おそらくはTOの病変部位から出血が生じ,その吸い込みをとらえた病態と推測した.結論.びまん性肺胞出血と鑑別を要したTOを経験した.

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 36 (1), 73-77, 2014

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ