がん治療中における睡眠障害(睡眠医学が心身医学に寄与できること,2013年,第54回日本心身医学会総会ならびに学術講演会(横浜))

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タイトル別名
  • Sleep Problems in Cancer Treatment(How Can Sleep Medicine Contribute to Psychosomatic Medicine)
  • がん治療中における睡眠障害
  • ガン チリョウ チュウ ニ オケル スイミン ショウガイ

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抄録

近年,がん治療中は睡眠の問題が高率にみられることが知られるようになってきた.一方,がん治療中のQOL低下にかかわるさまざまな要因の中で,睡眠障害は疼痛や抑うつに劣らず大きな影響を与えるという報告が散見される.不眠はまた,治療継続の阻害要因ともなり,せん妄や気分障害発症のリスクを上昇させると考えられる.がん告知や再発に際しての不安,闘病長期化などに伴う抑うつ,進行期に増加するせん妄,いずれに対してもその治療,予防ともに睡眠に対する効果的な介入は欠かせない.基本は,薬物療法,非薬物療法いずれの方法を用いるにしても良質の睡眠を確保して,「こころ」の自己回復力を促進することにあると考えられる.またがん性疼痛,レストレス・レッグス症候群,睡眠時無呼吸症候群など特異的な睡眠障害が基盤にあることも少なくないため,正確な診断も必須となる.以上,緩和医療において睡眠医学的視点の導入をさらに進める必要があると考えられた.

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 54 (3), 251-257, 2014

    一般社団法人 日本心身医学会

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