フルチカゾン吸入が有効であった気管形成術後吻合部肉芽狭窄の1例

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タイトル別名
  • A Post-tracheoplasty Granulomatous Stenosis Successfully Treated with Inhaled Fluticasone

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抄録

背景.気管肉芽狭窄に対して様々な内視鏡的加療が報告されているが,未だコンセンサスの得られた治療法はなく,治療方針の決定には合併症やコストにも留意が必要である.吸入ステロイドは気管支喘息など非感染性慢性気道炎症疾患に対して安全かつ安価な治療法であるが,我々は気管形成術後の吻合部肉芽狭窄に対してフルチカゾン吸入が有効であった1例を経験した.症例.67歳女性.気管挿管後の瘢痕性狭窄に対して気管形成術を行い,その約3か月後に気道狭窄症状が再燃,気管支鏡にて吻合部に肉芽形成による再狭窄を確認した.レーザー切除,スネア焼灼術など内視鏡的治療を予定したが,その前にフルチカゾン吸入を開始したところ数日で症状改善があり,内視鏡的治療は保留とした.フルチカソン吸入を継続し症状の改善は維持され,4か月後の気管支鏡では肉芽の完全な消失を確認した.結語.気管内肉芽狭窄に対して,フルチカゾンなどの吸入ステロイドは有効な治療選択肢の1つである可能性が示唆された.

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 36 (2), 143-146, 2014

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

被引用文献 (1)*注記

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