ジャイナ教におけるブラフマチャリヤ

• 小林 久泰

  Chikushi Jogakuen University

書誌事項

タイトル別名

• Some Notes on Brahmacarya in Jainism

抄録

ジャイナ教の基本文献『タットヴァ・アルタ・スートラ』における五大誓戒についての註釈には大きく二つの系統がある.すなわち,「注意を怠った人の行為によって」という「殺生」の定義に見られる限定句をそれ以外の四つの誓戒すべてに継起させる系統そして,その限定句を不淫戒を除いた三つの誓戒にのみ継起させる系統との二つである.後者の系統は,白衣派の伝統にのみ特徴的に見られ,註釈者たちは,その典拠を白衣派独自に展開した戒律文献に求めている.白衣派註釈者たちが不淫戒を特別視するのは,このような戒律文献の影響を強く受けているためであり,またその戒律文献に説かれる通り,姦淫を行う人は,不注意であるか否かに関係なく,必ず欲望と嫌悪を伴っているため,他の誓戒とは異なり,注意深かったからといって,その行為が例外的に容認されるということがないからである.

収録刊行物

• 印度學佛教學研究

  印度學佛教學研究 62 (3), 1106-1112, 2014

  日本印度学仏教学会

キーワード

• Tattvarthasutra
• mahavrata
• maithuna
• pramatta

詳細情報

• CRID: 1390282680356898688
• NII論文ID: 110009809458
• NII書誌ID: AN00018579
• DOI: 10.4259/ibk.62.3_1106
• ISSN: 18840051
• ISSN: 00194344
• NDL書誌ID: 025364775
• Web Site: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I025364775
• Web Site: https://www.jstage.jst.go.jp/article/ibk/62/3/62_KJ00009323468/_pdf
• 本文言語コード: en
• データソース種別:
  • JaLC
  • NDL
  • Crossref
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可