イネ鉄コーティング種子の発芽特性における品種間差異および浸種条件の影響

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タイトル別名
  • Cultivar Difference in Germination Characteristics of Iron-coated Seeds as Affected by Presoaking in Rice Direct Seeding Culture

抄録

鉄粉をコーティングした種籾を湛水土壌表面に播種する栽培方法が開発され,日本で普及面積が急増している.本研究では,有色米やアミロース変異体を含む新形質米および飼料イネを含む多様な形質を持つ水稲品種の種子を用い,浸種処理を行わない条件下で温度と鉄コーティングの有無で条件を変え,発芽特性と土中出芽特性等を調査した.どの品種も鉄コーティングまたは低温にすることで種子の発芽係数が低くなるが,その程度は品種により大きく異なること,さらに発芽係数と水田での出芽・苗立ち率との間に有意な相関関係があることを明らかにした.発芽係数が高い種子は鉄コーティング処理後の発芽係数も高く,圃場での苗立ち率も高い傾向を示し,鉄コーティング直播における発芽係数の重要性が示された.鉄コーティング比を増やすと,発芽係数は低下するが,鳥の食害を防ぐ効果が高まることを確認した.次に,鉄コーティング前の浸種処理が発芽係数に及ぼす効果を検討した.本州の主要品種であるコシヒカリやヒノヒカリにおいては20℃3日間あるいは13℃6日間の浸漬か鉄コーティング処理および低温条件下での発芽係数を高めた.しかし,北海道3品種および島根県の飼料イネ品種1品種においては,浸漬の効果は変動し,一定しなかった.浸漬処理が発芽係数を高める効果は,品種間差異があり,また種子源の影響を受けやすいことが明らかになった.

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001288129897472
  • NII論文ID
    110009810357
  • DOI
    10.20809/seisan.20.4_149
  • ISSN
    24242403
    13410156
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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